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■新しい年度の初めに際して

会長:村松俊夫

 2017年4月1日をもって「日本基礎造形学会」の新しい執行部が発足いたしました。新会長として、また新理事会を代表してご挨拶を申し上げます。
 あらためまして、山梨大学の村松です。昨年は、成田市にてアジア連合学会大会が開催されました。大会が盛会裏に終了した陰には、前理事会ならびに参加された会員、また関係諸氏の皆様方のなみなみならぬご苦労・ご支援・ご協力があったからこそと推察いたします。
 このたび会長職を拝命するに当たり、このような国際大会を成功させ、着実に会を発展の方向に導いてこられた後藤雅宣前会長の後を受け、はたしてこの重責が務まるのかどうかとはじめは逡巡しておりました。しかしながら、とにかくいったんお引き受けした以上、会員の皆様のお力をお借りしつつ、微力ながらも学会運営が滞りなく進行しますよう努力する所存です。なにとぞ、ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。
 さて、歴代の会長が就任のご挨拶の中で必ず触れられてきた本学会の特徴が3つあります。

 1.小規模ながらも「基礎造形」というキーワードのもとにあらゆるジャンルを認め合い、多様なフィールドで
  活躍している研究者・教育者・制作者が参集していること

 2.学会誌『基礎造形』を「論文集・作品集」と称するように、作品制作を理論研究と同等の重みで評価し、
  制作者の活動・発表を奨励・支援していること

 3.志を同じくする海外の学会、特に東アジア近隣諸国・地域の学会と常に連携し、グローバルな視点で活動して
  いること です。

 一方、学会という組織に対する外部からの視線は、近年社会的責任や貢献度に対し、より厳しいものとなってきました。歴代会長・理事会のご努力により日本学術会議協力研究団体となった現在、「象牙の塔」に籠もらぬよう、これらの要請にも答えていかなければなりません。
 多くの会員の皆様に支えられ、確固たる礎を築いてきた本学会です。今後さらなる発展を期すためには、まず「外部との連携」が不可欠と考えられます。アジア連合学会との密接な関係は当然ですが、国内外における他学会との連携も視野に入れる必要が出てくるかもしれません。もちろん直接足元を固めること(新規会員の増加・優れた研究発表)が最も肝要です。そのうえで、さらなる連携の取り組み・姿勢をアピールすることが、他学会からの会員の参加(規模の拡大)や、学会としてのレベルアップ(質の保証)にも繋がるような気がします。
 今年の研究発表大会は、第15回大会以来2度目となる熊本市の崇城大学で行います。1年前の震災の記憶が新しい熊本市ですが、実行委員会のご尽力により着々と準備が進んでおります。熊本の方々を応援する意味でも、会員の皆様の大会への積極的なご参加をお願い申し上げます。

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