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■2017年 新しい年を迎えて

会長:後藤雅宣

新しい年を迎え、会員の皆様には全国それぞれの地におかれまして、よき新春を迎えられましたことと、謹んでお喜び申し上げます。
本学会における旧年中の研究、発表活動、また運営に関わるご支援、ご協力に深く御礼を申し上げます。本組織発展へのご協力を引き続きお願い申し上げますとともに、会員の皆様にとって更なる飛躍の年となりますよう祈念いたしております。
この年末年始の各種メディアでの、「資本主義社会の限界」、「格差社会」、「脱グローバル化」等々、これまで正面からあり集中的に取り上げられなかったテーマに関しての議論の活発化が印象に残りました。世界のさまざまな秩序が、音もなく大きく変容していく節目の時代であることを予感させられます。これらに伴う我々の研究・制作を取り巻く環境の変質については、これまでもそれぞれがお感じになってきたとおりかと存じます。
大学や民間の研究活動においても、外部資金獲得の競争が年を追って激化している印象が強く、そのためだけの研究を強いられているような印象も感じられます。じっくりと腰を据えた研究・制作を進めることが難しくなってきているかのような感触が否めません。そんな時代にあって、造形世界における「基礎」を探ろうとする本組織ならでは、のさまざまな課題に対しても、即応する俊敏性と、解決への努力がこれまで以上に求められる時期に来ていることを実感します。
本年度の学会誌への論文・作品の投稿数をみると、エントリーがそれぞれ、論文集19 本、作品集11 本、載録が決定した数は、論文集10 本、作品集5 本となりました。このような時代にあってこその、貴重な研究発表の機会であり続けるための更なる組織の在りようを、会員の皆様とともに模索してまいりたいと思います。
今年の大会は、2回目の開催となる熊本です。あの震災から1年も経っていないにもかかわらず、遠い記憶になってしまっているようにも思われます。難しい時期であるにもかかわらず、お引き受けくださった大会実行委員会の皆様に心から感謝を申し上げます。
復興に向けて奮闘する熊本を、皆様とともに応援できればと思います。素晴らしい研究発表、制作発表のご準備のほど、どうぞよろしくお願い申し上げます。

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