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■日本基礎造形学会 第27回秋田大会 報告

大会事務局:ベ・ジンソク

 日本基礎造形学会第27回大会が、秋田公立美術大学の後援により同大学を会場に、平成28年9月2日(金)〜3日(土)開催されましたことをご報告いたします。大会テーマは「地域に息づく基礎造形」でした。
大会の会員参加は49名(韓国基礎造形学会3名含む)、口頭発表は16件、作品発表は192件(国内34件、海外158件)でした。  大会1日目の9月2日(金)、秋田公立美術大学大講義室において12時30分より開会式を行い、秋田公立美術大学学長 霜鳥秋則、韓国基礎造形学会会長 柳 ?源先生よりそれぞれご挨拶を頂きました。13時より秋田公立美術大学石倉敏明先生による基調講演「東北に生きる造形思考」を開催いたしました。石倉先生は、芸術人類学者として、主な論文に「今日の人類学地図」、「裸の精霊」、「女神と対称性」、「生を与えまたそれを奪う神」などがあります。基調講演においても、北東北地域のカシマサマや虫送り行事、シシ踊り、ネブリ流しや竿燈まつり、来訪神儀礼等の習俗を取り上げ、民俗的モチーフとして表わされた造形思考の特性と東北地域の生命論的思想の関係を探究する内容についてご講演いただきました。
 基調講演終了後、15時30分より場所を秋田公立美術大学社会貢献センターアトリエ『ももさだ』へと移し、ギャラリートークを開催いたしました。秋田公立美術大学の安藤康裕先生の司会のもと、発表者の皆様より制作の意図や作品表現における様々な試みについてお話しいただき、活発な意見交換が交わされました。韓国からは韓国基礎造形学会 柳 ?源会長が代表としてご参加頂き韓国の作品についてご説明を頂きました。なお、作品展は8月30日(火)から9月3日(土)まで開催され、会員以外にも多くの方々にご鑑賞いただきました。
 18時より、懇親会を秋田メトロポリタンホテル3階グランデAにおいて開催し、リラックスした雰囲気の中で学会や造形・教育について意見交換が行われました。また、国指定重要無形民俗文化財「男鹿のナマハゲ」と日本古来の「和太鼓」を融合させた、古くて新しい郷土芸能である「男鹿なまはげ太鼓公演」も行い、太鼓奏者達の熱い鼓動が会場内に響き渡り、大いに盛り上がりました。
 大会2日目の9月3日(土)、9時40分より2室に分かれて口頭発表が行われました。井上龍彦先生、三枝孝司先生が座長として進行を務める中、基礎造形に関わる様々な研究成果が発表され、発表者と参加者との間で活発な質疑応答が行われました。  口頭発表終了後、昼食を挟んで13時30分より総会が行われました。井上龍彦先生の議事進行のもと、各種審議と報告がつつがなく執り行われました。表彰式では森 竹巳先生、李 知恩先生が研究奨励賞、有田信夫先生、荒井俊也先生が功労賞を受賞され、盛大な拍手が送られました。最後に星加民雄先生から次回大会について報告があり、来年開催される第28回日本基礎造形学会・熊本大会に向けて大きく期待を膨らませながら閉会となりました。
 大会運営にあたっては至らぬ点も多々あったことと思われますが、皆様のご協力・ご支援のもと、無事大会を終了することができました。紙面をもちまして厚く御礼申し上げます。

■本大会実行委員(敬称略)
ベ・ジンソク(秋田公立美術大学)、安藤 康裕(秋田公立美術大学)
孔 鎭烈(コン・ジンヨル)(秋田公立美術大学)、金 孝卿(キム・ヒョギョン)(秋田公立美術大学)
高橋 延昌(会津大学短期大学部)

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