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■新しい年度のはじめに

会長:後藤雅宣

 春暖の候、会員の皆様におかれましては、ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。
微力非才の身ではございますが、この4月からの2年間、会長を続投させていただくこととなりました。会員の皆様のお力を頂戴しながら、学会運営に専心する所存です。どうかご協力のほど、これまでにも増してよろしくお願い申し上げます。
これまでの2年間、理事や委員の方々、そして会員の皆様のご協力のお蔭をもちまして、歴々の会長そして運営に携わられた方々が築き上げられた学術組織としての姿や意味を大過なく受け継いでくることができました。心より御礼申し上げるしだいです。
新理事会には新しい顔ぶれも見られ、つくづく時の流れを感じざるを得ません。学会としての立ち上げから早四半世紀、多くの先輩方のご奮励をベースに新しい風を取り込みながら、組織としての現在の姿があることをしみじみと感慨深く感じ入っております。
この学会の趣旨について説明を求められた時に、私は次のような点を挙げています。
「基礎」というテーマのもとに、さまざまな発表の機会や情報交換の場を創作しようとしてきた点、そして、美術やデザインにわたる広範な造形領域を引き受け古典から現代までをも包含していこうとする
点。また、学者や研究者、また教育者ばかりでなく、画家や彫刻家、工芸家までが参集する希有な研究組織であり、この点が他に類を見ない誇るべき特色といえます。その広範な研究結果の集積が、この学会の財産として受け継がれ、各人の活動への貴重な示唆や、新たな発想への契機をもたらしてくれるものとなっています。
広範であるがゆえに、学会としての焦点が絞りにくいという難しさをもっているのも、また事実と言わざるを得ません。「基礎」という概念そのものを、それぞれの活動において模索したり、確認したり、あるいはまた時には否定してみたりと、各人それぞれの意識のもとでの「基礎」を想起する機会、それこそがこの学会の存在意義なのかもしれません。
今年は、8年に一度のアジア基礎造形連合学会日本大会の年です。ご周知のように、空港の街、成田を会場として行いますが、各人にとって「基礎」とは何かを熟考できる機会にできればと考えております。事実上2年間という短い時間での準備作業でしたが、大会実行委員会執行部の皆様、協力団体千葉県教育研究会印旛地区図工・美術部会の先生方の献身的なご協力により、現在なんとか形が見えてきたところです。
空港は知っていても、成田の旧市街は知らない、という皆様も少なくないことと思います。明治神宮に次ぐ初詣者数を有する成田山新勝寺の門前町であり、歴史のある実におもしろい街です。
会員の皆様の積極的なご参加を、ぜひともお勧めいたします。

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