■2013アジア基礎造形連合学会 天津大会報告 |
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高橋延昌
2011年の台湾雲林大会から2年が経て、今年度は中国が主催国となり、8月19-20日の2日間、天津美術学院において2013アジア基礎造形連合天津大会が開催されました。中国、韓国、台湾、日本の東アジア各地域から大勢の参加があり、論文(招待講演含)72編、作品333点が出展されました。さらに今回新たな大会の試みとして「特色ある基礎造形教育課程の招待展」も開催され、25の教育事例が紹介されました。その中で、日本からは論文3編、作品14点、会場参加8名でした。
大会期間中、中国もとても暑い日が続きましたが、会場は大いに盛り上がりました。まず大会初日にあった冒頭の来賓挨拶では、日本の後藤会長が中国語での挨拶を披露して、会場を大いに盛り上げてくれました。その後の基調講演では、韓国基礎造形学会の趙烈教授による「Collaboration of Art work and Digital Technology」、および中国の?烈炎教授による「Design Multiclement Project of Form Creation」と題する講演があり、基礎造形教育・研究に関する現状および今後について分かりやすく解説していただきました。基調講演の後は各国代表による招待講演があり、高橋が日本代表として「光の描材『ライトストリーク』の教材開発 -光の性質を学ぶ基礎造形教育-」と題する研究成果を発表させていただきました。
その後、作品展の開場を記念するテープカットがおこなわれ、多くの作品が公開されましたが、各国からの作品および教育事例展示の質やボリュームはもちろんのこと、展示スペースの広さにも圧倒されました。大会初日の夜は歓迎晩餐会がおこなわれましたが、中国の伝統音楽が演奏され、国境を超えたカラオケ交流もあったりと盛会でした。
大会2日目の午前中は研究発表大会で、日本からは古賀事務局長が「折り加工の多面体ユニットによる立体造形」を全文英語でスピーチし、漆麟氏が「現代中国の抽象美術表現における『反復性』について -日本抽象美術との比較を通して-」と題する研究をそれぞれ発表されました。
活発な研究発表があった2日目午後はエキスカーションが組まれ、中国の雄大な自然や歴史ある寺院などを見学させていただきました。
このように今年度のアジア基礎造形連合学会天津大会は、天津基礎造形研究会および天津美術学院の皆様方による暖かい歓迎ぶりがひとしお大きく、短い期間ではありましたが、楽しく充実した大会を経験することができました。本紙を通じて改めて御礼申し上げたいと存じ上げます。謝謝.
追伸:ついに次回のアジア大会(2015年)は日本です。日程や会場はまだ未定ですが、今度は日本が開催国として会を盛り上げ、多くの皆様がご参加下さるようにしましょう。
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