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■第19回大会(福岡)報告

大会事務局長:三枝 孝司

 日本基礎造形学会第19回大会が、福岡市東区にあります九州産業大学を会場として行なわれましたことをご報告致します。今大会のテーマは「技術・文化・基礎造形」でした。
  平成20年8月23日(土)10:00〜13:00のエクスカーションから学会が始まり、3年前にオープンした九州国立博物館を見学しました。13時30分より、九州産業大学15号館1階を会場として開会式を行い、14時より福岡工業高等学校教諭の田中天(たなかひろし)先生による基調講演T「秘められた鉄文化」を開催いたしました。福岡の地は古代から大陸、朝鮮半島と活発な交流がなされてきた歴史があり、交流の中から生まれた我が国独特の製鉄法「たたら製鉄」で鉄を賄い、日本刀や茶器に代表されるような、鉄の魅力を極限まで追求し昇華させた美術品、芸術品が人々を魅了してきました。その技術や文化について福岡の史跡を基にご講演いただきました。
  続いて15時30分より、元オランダ・ハーグ王立音楽院教授であり、世界的に活躍しているリュート奏者の佐藤豊彦(さとうとよひこ)先生による基調講演U「木から生まれた古楽器リュートに見る音の形」を開催いたしました。様々な形のリュートや象牙製の非常に珍しいリュートを実物によりご紹介いただき、その後、ヨーロッパを中心に土地や時代等の要求に応じて、大きさや形等が変化してきた歴史的背景や、木で作られ、微妙に変化しながら生き続けるリュートの魅力をスライドと演奏を交えでご講演いただきました。
  17時より会場を九州産業大学美術館と円形ギヤラリーに移し、ギャラリートークを行いました。なお、作品展は、8月21日(木)から24日(日)まで開催し、21日の初日は穂積会長、吉武美術館長、主催校を代表して山下理事長が出席し開会式を行いました。
 出品点数は国内から38点,博多人形等の特別展示6点、韓国基礎造形学会から194点の作品を得て、国内の作品を美術館に展示(1階に平面、2階に立体を展示)し、円形ギヤラリーに韓国の作品を展示しました。ギャラリートークは1階の平面が後藤雅宣先生の司会で、2階の立体が荒井俊也先生の司会で、1、2階に分かれ発表しました。韓国からは今回、事務局長の賈星熙(ガ・ソンヒ)先生が代表としてご参加いただきました。
  18時より会場をクラブハウスに移し、懇親会を開催し、初めに博多祇園山笠の勇壮な人車が披露され
祝いめでたの唄と博多一本締めで福岡の夏祭りの雰囲気を味わっていただきました。また、その後ゆっくりとご歓談いただき、それぞれ学会や造形・教育についての談義を交わすことが出来たと思います。
  翌8月24日(日)は、午前10時から15号館1階にて、A室、B室、C室に分かれて口頭発表がありました。A室の座長は石野真先生、B室の座長は織田芳人先生、C室の座長は小江和樹先生の進行で計14件の活発な発表が行われました。
  昼食を挟んで午後13時30分より総会が開かれ、合わせて表彰式が行なわれました。田中淳先生に功労賞が、前田和先生と常見美紀子先生に研究奨励賞が贈られました。閉会式では、あっと言う間だった2日間をエンドロールの映像で振り返り、大会を閉会いたしました。
  今大会の参加者は54名で、その内一般の参加者は10名と多くの方のご参加をいただき、活気のある良い大会になったと思っております。心より御礼申し上げます。また、今回の大会ポスターに藤本修三先生の作品をご提供頂きました。ありがとうございました。
  準備には万全を期したつもりでしたが、概要集に大きなミス等があり皆様にご迷惑をお掛けしたことをお詫び申し上げます。皆様のご協力のもと無事終了できた大会でした。誠にありがとうございました。

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作品展開会式:左から穂積会長、吉武美術館長、山下理事長   作品展会場風景

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基調講演U:佐藤 豊彦 氏                        基調講演T:田中 天 氏

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ギヤラリートーク                              韓国基礎造形学会作品展示風景

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口頭発表                                   表彰式:功労賞の田中 淳先生

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