崇城大学:星加 民雄 2005年台湾基礎造形学会が昨年12月1日に景文技術学院で開催されました。大会内容、および台湾における基礎造形学会の現状についてご報告いたします。
基調講演のメインテーマは「基礎造形と環境」というテーマでした。まず韓国を代表して韓国基礎造形学会会長の李吉淳先生が韓国の環境デザインの事例を紹介されました。次いで私が「錯視の空間」をテーマに、私の研究テーマである動きの錯視における様々な表現要素と、視覚に関わってくる人間の眼について話をしました。
それぞれ約50分間の講演でしたが、講演後に行われたパネルディスカッションでは、様々な質問と意見が飛び交い、非常に盛り上がった討論会となりました。口頭発表の会場も立派な会議室が2室用意され、発表内容においても質の高いものでした。参加人数は日本より、わずかに多いくらいでしたが、比較的若手が中心となり、力強くまとまりのある学会の印象を受けました。
台湾での大学教員は学位取得者が極めて多く、基礎造形学会会員も同様の傾向があり、在職中の先生達の大半が学位取得者か取得をめざしている現状にあります。現場ではスキルが求められますが、教育現場での作品制作等のスキル面での指導に問題が出てきているとのことでした。
来年度の大会では、実技指導等の事例紹介(昨年の仙台大会で行ったような異なる分野での基礎造形教育の現状報告)などを通して、国を超えた議論の場をつくりたいと意欲的でした。
パネラーとして発言する星加氏 |