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■アジア基礎造形連合学会 台湾大会に参加して

穂積 穀重


もう昨年のことになってしまいましたが、2003年1月1日、2日に開催された、アジア基礎造形連合学会台湾大会の概略についてご報告致します。(数日前、編集部から原稿を依頼されて、薄れた記憶を取り戻して書かなくては、と少々あせりました。幸い、帰国直後に取り急ぎ事務局宛に送ったメールがあったのでそれに少し手を加えて原稿とすることにしました)崑山科技大学の国際会議場は、ほぼ満席になるような盛況ぶりで、タイトなスケジュールだったことを除けば大成功でした。韓国は60名を越える参加者で、中国も新しい大学が参加するなど活気がありました。台湾は主催校を中心に先生、学生ら多数がさまざまな仕事を手際よくこなしていました。

日本からの参加は9名で、少なさで目立ってしまいましたが、それぞれの役割は十分果たせたと思います。また、作品を出品された会員諸氏には日本学会の存在感を展覧会場において立派にアピールして頂けたと思います。 伊藤隆道先生の基調講演は、40年に亘る制作・発表の経過を最新作を交えてビデオで紹介されるとともに、ご自身の発想や技法の基盤を基礎造形と関連づけて話され、大変示唆に富む内容でした。

児玉先生のLEDを応用した光の造形表現に関する研究発表は、作品映像の美しさと技法のユニークさで参加者の注目を集めました。

朝倉先生の奥様は追悼式の挨拶の中で、「つくばの自宅の留守番を頼んで来たつもりでしたが、朝倉は皆さんにお会いしたくてこの会場に参っているようでございます」と述べられ、改めて皆の涙を誘いました。
松尾先生はアジア連合学会の「会長代行」として全体をまとめるほか、シンポジウムの司会兼パネリストとして活躍され、展覧会場では岩田、有田両先生の作品が関心を集め、説明に追われる状態でした。

   

稲垣会長が欠席のため、穂積が会長代理として日本からの挨拶を引き受けました。その他、児玉先生の発表の際の紹介者、座長、シンポジウムパネリスト、パーティーでの挨拶など予期せぬ仕事が飛び込んで当惑しましたが、とりあえず乗り切りました。朝倉先生追悼のVCDを日・中・韓3言語のナレーションつきで編集しなおしたものを持参し上映しましたが好評でした。

李知恩さん(日本学会会員・留学生で日本から参加))は、会場で飛び入り的に通訳の仕事を依頼されましたが、スムーズにこなしてくれて感謝されました。
高橋李穂さんは、仕事の関係で、この時期台湾の他の都市に来ていたので、台南まで足を延ばして参加した、とのことでした。

お別れパーティーは、崑山科技大学側の趣向を凝らしたもので、結婚式のような席の配置で華やかなディスプレイが施され、生演奏が雰囲気を盛り上げていました。会場わきに臨時の厨房まで作っての本格的な料理を堪能しました。伊藤先生をはじめ、各国からの参加者たちは台湾の先生や学生から、一緒に写真に入るよう頼まれたり、サイン攻めに遭って嬉しい悲鳴をあげていました。

最後に、次回(05年)は上海でと再会を約して終了しました。(05年は愛知万博に合わせて日本で開き、上海は07年にしてはどうか、との議論もあり、時期開催地は今のところ流動的です)

   

 

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