■年頭のご挨拶 |
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会長:後藤雅宣
2025 年の年頭にあたり、ご挨拶申し上げます。
昨年の長崎での研究発表大会後、長崎の端島(軍艦島)を舞台としたドラマ「海に眠るダイヤモンド」が放映され大きな話題になりました。本学会大会開催地として初めての地となった長崎、実行委員会の皆様のご尽力により、発表形式にもさまざまな創意が施され、大変意義深い大会が実現しましたが、長崎での大会はいろいろな意味で強く印象に残るものとなったように感じます。
1990年に発足した本学会は、多くの諸先輩方のご労苦により、35年の長きにわたり、造形に関わる研究発表の場を創出し続けてまいりました。
造形美術やデザインに関わる、創造性、原理、教育、歴史、表現手法や材料、社会との関係性などなど、広範な諸問題を引き受け、それらに相応しい研究発表の舞台を模索し続けてきた歴史でもありました。
発表形式としての論文、口頭発表、ポスター発表のみならず、論を伴う作品研究発表−作品集、大会での作品そのものを前にした発表、志を共にする近隣諸国地域研究団体との協働発表、造形研究の結果を反映したクリエーターズファイルなど、他の学会には見られないさまざまな発表の場を創り出してきました。また、新型コロナウイルス感染症に翻弄された時期には、web上での研究発表にも様々な工夫を経験することにもなりました。
造形芸術やデザインの領域における諸研究の発展のために、これまでのそうした運営実績をあらためて検証しながら、研究組織としての更なる飛躍を目指す、そんな大きな節目にあることを感じます。
多岐にわたるテーマのさまざまな研究において、より実のある交流の機会を実現することができるよう、また新たな気持ちで、会員の皆様方とともに新体制を支えながら、基礎というパラダイムを意識した研究組織としての存在意義をますます高めていく、そんな一年にしていきたいものです。
この年は、また新たな地−四国香川にて研究発表大会が行われます。夏の大会には、奮ってご参加くださいますよう、よろしくお願いいたします。
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