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■年頭のご挨拶

会長:後藤雅宣

 2024年の年頭にあたり、ご挨拶申し上げます。
 まずは元日に発生した能登地方を震源とする大地震で被災された方々に、心からお見舞いを申し上げます。また、その被災地へ救援物資を運ぶ途上、民間機との接触事故によって犠牲となられた海上保安庁の方々に、謹んで哀悼の意を捧げます。一刻も早い復旧を、皆様とともにお祈り申し上げたいと思います。
 昨年は、新型コロナウイルスによる行動制約が撤廃され、学会運営もほぼ正常な形に戻すことができ、北の大地北海道札幌において、実行委員会の皆様方の周到なご準備のもと、日本の学会とアジア連合学会を盛大に執り行うことができました。
 この4年間を振り返りますと、新型のコロナウイルス感染症COVID-19 なるものと向き合うことになった2020年には、岐阜の皆様方の創意工夫のもと、学会史上初めてとなるオンラインでの第31回研究発表大会が手探りの中で執り行われ、翌2021 年には、そこでの成功実績をさらに発展させる形で、東北の皆様方のお力によって第32 回研究発表大会が同じくオンラインという方法で行われました。2022年は、福岡の皆様方のご尽力によって、制限された中での対面の大会を決行いたしました。その延長上に、札幌大会がありました。  この間、学会運営にあたる理事会においては、研究団体とはいかなるものなのか、研究発表とはいかにあるべきなのか、という基本的な命題と向き合うこととなり、本学会のあり方を見つめ直すことにも繋がっていったように回想しています。それまでとは違った意味での充実感に満ちた時間を共有することができた、そんな数年間でした。
 本学会は、理論研究の場であると同時に、作品の制作という実証を伴った造形研究を尊重するという特有性が、研究団体として他に類を見ない秀逸性を有してきたと自負することができます。こうした特徴を継承しつつ、先行する規模の大きな他の研究団体に匹敵する組織として発展させていく、そんな段階に差し掛かっているように感じます。
 こうした流れの中で、本年ははじめて長崎の地において、35回目の研究発表大会が行われます。口頭発表、作品発表の他に、札幌大会に続きポスター発表の試行も予定されております。会員の皆様方におかれましては、日頃の研究の成果を、様々な形でご披露くださいますよう、積極的なご参加を心よりご期待申し上げます。
 現代は、先行きが不透明なVUCAの時代と言われて久しく、造形や教育の世界にも暗い話題が少なくない時代でもありますが、皆様方とともに、本学会にとって更なる飛躍の年にしてまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。長崎でお会いしましょう。

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