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過去から未来へ、力を合わせて…

会長:後藤雅宣

  若葉の香りに夏への移ろいを感じる季節を迎え、会員の皆様におかれましては、より一層ご清福にお過ごしのことと存じます。新年度より会長職を拝命することになりました千葉大学の後藤雅宣です。前回の拝命からすでに8年という月日が流れ、今や老齢の身につき至らぬことも多々あろうかと存じますが、会員の皆様のお力を頂戴しながら、本学会のさらなる繁栄を目指すべく、大過なく次の時代につなげていくことができればと存じますので、どうかご協力のほどをよろしくお願い申し上げます。


 振り返れば、1987年大阪芸術大学での基礎造形研究会にその第一歩を踏み出した研究団体でしたが、それから34年という歳月の中で、多くの先駆のご労苦の所産として、志を共にする同士が集うことのできる場が継承され続けてこられたことに、深い感慨を覚えざるをえません。
 1990年には、学会という学術団体としての確固たる組織体制が確立しました。さらには1998年、本学会を含めて、東アジア主要国地域にそれぞれ組織される基礎造形学会がアジア基礎造形学会連絡会議を発足し、翌年にはアジア基礎造形連合学会が設立されました。造形の基礎を、理論的な見地ばかりではなく制作という行為をも含めた範疇に捉え、それぞれの研究や制作の成果を持ち寄ることでの本学会会員相互の啓発のステージが、国内を含めて東アジアにも広がっていきました。
 2011年、本学会が日本学術会議の傘下に入ったことで、名実ともに学術団体としてのいわば資格と役儀を自覚すべき段階に入りました。それから10年という月日が流れ、学術団体としての存在意義がいよいよ問われるステージに入ってきたのではないかと感じるところです。
 本学会は他の研究組織にはない特色をもつものと自負するものですが、今後も同じ志を有する関係組織との連携を図りつつ、会員相互の有益な情報交換の場として、また価値ある学術団体として、皆様とともに切磋琢磨してまいりたいと存じます。


 新型コロナによる事変が沈静化の兆しすら見せない状況にあり、本学会の活動にも大きな影響がしばらく続くものと思われますが、こうした状況にも萎えることなく、有意義な学術団体たるべく会員の皆様とともに力を合わせて前に進んでいきたいと存じますので、どうかよろしくお願いいたします。

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