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■第30回記念神戸大会 報告

大会実行委員長:谷口文保

 日本基礎造形学会第30回記念神戸大会が、2019年9月7日(土)、8日(日)の2日間、神戸芸術工科大学において開催されました。今回の大会では、基調講演とワークショップの講師として、アーティストで神戸芸術工科大学大学院教授のカスパー・シュワーベ先生をお招きしました。
 大会初日の9月7日(土)は、神戸芸術工科大学芸術工学教育センター1225教室をメイン会場として、12時30分より開会式を行い、村松俊夫会長と齊木崇人神戸芸術工科大学学長より、それぞれご挨拶をいただきました。また村松会長から齊木学長へ、大会開催に関するご協力に対して感謝状が贈呈されました。そして13時00分から「ワークショップと基礎造形」と題して、シュワーベ先生の基調講演が始まりました。ご自身の創作の原点として、ルドルフ・シュタイナー学校や著名な幾何学アーティストを紹介され、続いて国内外で取り組まれた展覧会やワークショップについて説明がありました。その内容は基礎造形と深く関わる大変興味深いものでした。さらに、ワークショップが実施されました。最初に大会参加者に配布された、「Golden Ratio Compass」のキットを組み立てました。これは本学会の30回目の大会開催を記念して、シュワーベ先生のご協力によって制作されました。
その後、作品発表の会場でもある「ギャラリー・セレンディップ」に移動し、参加者全員で竹を用いた幾何学造形のドームを共同制作しました。最初は少し緊張していた参加者も、シュワーベ先生のユーモア溢れる話術に導かれ、支え合い、声をかけあって作業する内に、すっかり打ち解けていきました。そして、巨大なドームが完成し、「ワークショップと基礎造形」の可能性を体感することが出来ました。
 休憩を挟んで、15時00分からギャラリートークを行いました。今回は、29名の会員がギャラリー・セレンディップに作品を展示し、兵庫教育大学の村上裕介先生の司会のもと、作品発表を行いました。ギャラリートークでは、活発な質疑応答が展開され、充実した研究交流となりました。
 懇親会は、18時30分より三宮の中華料理店「老房」で行いました。兵庫教育大学の大西久先生の司会のもとで、新入会員や大会初参加の会員の紹介が行われ、大学院生や若手研究者などのスピーチに大きな拍手が起こりました。和やかな雰囲気の中で、これからの本学会の展開や基礎造形の教育といったテーマについて意見が交わされ、有意義な懇親会となりました。
 大会2日目の9月8日(日)は、9時40分から神戸芸術工科大学芸術工学教育センターの1105教室、1106教室において、口頭発表を行いました。神戸大学の岸本吉弘先生の全体運営のもと、各会場の座長を九州産業大学の三枝孝司先生、拓殖大学の小出昌二先生にご担当いただき、12組の発表が行われました。作品制作やワークショップの実践報告、造形教育に関する研究など、多様で幅広い内容に対して、活発な質疑応答が展開されました。
 午後は13時から、メイン会場において総会を行いました。総会では、岐阜聖徳学園大学の齋藤正人先生を議長に選出し、会計監査報告、予算案、規定の改正などの審議が行われました。総会後の表彰式では、千葉大学の後藤雅宣先生に学会賞、岐阜市立女子短期大学の奥村和則先生に研究奨励賞が授与されました。そして、岐阜市立女子短期大学での開催が決まった来年度大会に向けて、期待を膨らませながら閉会となりました。
 今大会の参加者は、49名(会員42名、学生会員3名、非会員4名)で、研究発表は作品発表29名、口頭発表12組でした。大会運営にあたって、至らぬ点も多々あったと思いますが、皆様のご協力、ご支援のおかげで無事終了することができました。心より感謝申し上げます。

■本大会実行委員(敬称略)
大会実行委員長:谷口文保
大会実行副委員長:岸本吉弘
大会会計:井上龍彦
実行委員:岩藤百香 大西久 高台泳 藤本修三 村上裕介

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